病気と聞くと治療を続けていればいつかは治ると考えがちですが、AGA（男性型脱毛症）は進行性の病気であり、進行を抑制することはできても完治することはありません。
この記事ではAGAの治療が終わらない理由と、それを踏まえた上でコスパの良い治療法はどれかを解説していきます。
治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
AGAとはどんな病気？
AGAは男性型脱毛症とも言い、男性ホルモンの影響で起こる病気です。早ければ20代以降から徐々に進行が始まります。
ちなみに女性型脱毛症はFAGAと呼ばれますが、基本的な原因はほぼ同じです。
ただ、女性は男性ホルモンの分泌量が男性よりも少ないので、男性ほど多くはありませんし、発症する時期も40代以降が多いなどの特徴があります。
主な症状
AGAはその名前の通り頭髪が抜け落ちていく病気です。進行すると発毛よりも脱毛のペースが上回り、髪の毛が薄くなってしまいます。
髪の毛の抜け方はそれぞれ違い、頭頂部が薄くなる人もいればオデコが後退したり、M字になったりします。
AGAは進行型の病気であり、徐々に悪化していくのが特徴です。最初は少し薄くなったという程度でも、年々その状態は悪化していき最終的にはほとんどの髪の毛が抜け落ちてしまいます。
AGAの原因
前述したようにAGAは男性ホルモンが関係する病気ですが、一つの要因で引き起こされるわけではありません。その理由を見ていきましょう。
テストステロンの減少
俗に言う男性ホルモンはテストステロンと言い
- 体を筋肉質にする
- 体毛を成長させる
- 生殖機能を発達させる
などの働きを持っています。
このテストステロンの分泌量が加齢などで減少すると髪の毛が生えにくくなってしまい、結果的に薄毛を招きます。
遊離テストステロンの減少
前述した内容とも関連しますが、テストステロンの中には遊離テストステロン（フリーテストステロン）と呼ばれる精鋭部隊がいます。
全体の1-3%にしか満たない数ですが、非常に強い働きを持っている物質です。これらが減少することも薄毛を促進させる原因になります。
なぜテストステロンや遊離テストステロンが減少するのかというと、テストステロンはアルブミンや性ホルモン結合グロブリン（SHBG）という物質と結合する性質を持っています。
小難しくなるので詳細は割愛しますが、テストステロンの全体量が少なくなるので遊離テストステロンの数も比例して少なくなってしまうのです。
ジヒドロテストロンの増加
ジヒドロテストロンは、5αリダクターゼという酵素とテストステロンが結合すること作られる物質です。
思春期には声変わりや体毛を成長させるなどの二次性徴を促し、成人期には筋肉の増大や男性器の成長を促します。
しかし、反面で皮脂の分泌や前立腺の肥大化、体毛が濃くなるといったデメリットもあります。
一般的に中年の男性は頭髪が薄く体毛が濃い、筋肉よりもぜい肉が多い、顔がテカっている、尿路結石など前立腺に関係する疾患を持っていることが多いですが、これらはジヒドロテストロンの増加によって引き起こされていると言えます。
まとめると、
- テストステロンの分泌量が少なくなる
- テストステロンが他の物質と結合することで全体の量が少なくなる
- 遊離テストステロンの数が少なくなる
- ジヒドロテストステロンが増える
これらがAGAの主な原因となります。
AGAを避ける方法
AGAを避ける方法は非常にシンプルで、
- テストステロンの量を増やす
- テストステロンと他の物質の結合を阻害する
- 遊離テストステロンを増やす
- ジヒドロテストステロンの働きを抑える
とAGAの原因を抑えていくだけなのですが…
これらを自力で行うことはほぼ不可能です。
一部の植物を使って上述した作用をもたらすこともできますが、その多くは海外で栽培されていますし、副作用の問題で日本へ輸入が禁止されているものもあります。
また、AGAは進行性の病気であり完治することはありません。治療を止めると元の状態に戻ってしまうので、始めたら最後、死ぬまで続けるしかないのです。
そう考えると自力でどうこうするのはリスクが高すぎると言えます。
一番スマートな方法はクリニックで治療薬を処方してもらうことです。一般的な治療薬は副作用も少ないですし、自分でやめない限りは治療を継続することができます。
問題となるのは治療費や薬代を半永久的に払い続けなければいけないことです。特にAGA治療は自由診療となるので、保険が適用されず患者の負担が大きくなってしまいます。
コスパ最強のAGA治療方法は？
前述したようにAGAの治療をするにはお金がかかります。ただ、やり方によって費用はピンきりなので、ここでは3種類の治療方法とそれぞれの費用をお伝えしていきます。
育毛剤を使った治療法
育毛剤は自分で行えるのでクリニックなどに通う必要もないですし、育毛剤の値段だけで治療ができます。
育毛剤の値段もピンきりで、1000円以下のものもあれば、1万円を超えるものもあります。
ただ、効果がなかったり、肌質に合わない場合はかゆくなったりと必ずしも髪が生えるわけではありません。加えて、脱毛の原因となるジヒドロテストステロンのような物質を抑える効果もないので、髪が育ってきても抜けてしまうことは避けられません。
AGAの進行状況によっては効果があるものもあるかもしれませんが、確実な治療方法ではないので注意しましょう。
クリニックでの治療
クリニックは診察をしてAGAの進行状況を確認し、それにあった治療薬を処方してくれます。
治療薬は種類がいくつかありますが、主にジヒドロテストステロンを作り出す5αリダクターゼの働きを阻害するもの、頭皮の血行を促進して発毛しやすい環境をつくるものなどがあります。
育毛剤は髪の成長を促すだけで、AGAの根本的な原因とも言える物質を抑えることができませんが、治療薬であれば効果が期待できます。
ただ、治療費として診察料、検査料、薬代が必要となるほか、診察へ行く際の交通費もかかります。治療費は15000円〜30000円程度が相場ですが、自由診療なのでクリニックによって費用が異なるので注意が必要です。
オンラインクリニックでの治療
オンラインクリニックによる治療は2020年4月から始まった診察方法で、実際にクリニックに足を運ぶ必要がありません。
オンライン通話やチャットなど非対面型の診察でAGAの状況を判断し、適切な薬を処方してくれます。薬も配達してくれるので、交通費がかかりませんし、近くにクリニックがない方にもオススメの治療方法です。
また、診察時にはマスクやサングラスの着用がOKというクリニックもあるので、顔を晒す必要もないので受診の際の抵抗感を軽減することができます。
費用は受付のスタッフなど余計な人件費をかける必要がないので、診察料は無料であるケースが多いです。必要なのは薬代だけで、3000円〜20000円ほどが一般的な相場となります。
薬代に大きな開きがあるのは、AGAの進行状況によって薬の種類や量が異なるためです。安ければ育毛剤と同程度の費用で治療ができるのでおすすめです。
